あるいはこんばんわ
本日の話題はソファーやクッションのカバーを外した中身の話。
長く使用していると黄ばみや染みができたりしますよね?
オレンジの斑点とかですよね。
それが何か?カビか? 気になりませんか?
実際にカビであるならば洗浄で落ちたりしますよね?
で、いろいろチェックしてみたんです。
普通の石鹸でこすり洗いしてみるとか
でもほとんど変わらず。
そして漂白剤でも・・
ほぼ変わらず。
そしてウタマロ石鹸。
蛍光増白剤が入っているやつですね。
程度問題な感じ。
そして禁断の溶剤編。
イソプロピルアルコール99%でチャレンジ。
変わりません。
もうここまでくると、これがカビや汚れではないということがわかりますよね?
なにせ繊維についている汚れです。
風呂のパッキンに染み込んだカビとは意味が違います。
ではこれは何か?
さらに実験。
今度はイソヘキサン、パーツクリーナーとかの有機溶剤です。
これで同様の作業をすると、一番落ちました。
つまり、溶剤でもアルコール系でなく割と強めなものを使わないとダメということです。
もう普通の汚れじゃないですよね〜
ではこれはなにか?
どうやっても落ちないその汚れ。
で、よく観察してみたら原因がありました。
クッションの中身を見てみるとこのような構造。
見るとウレタンが散ってますよね?
そのウレタンの色が近いんです。
さらに観察。
ウレタン自体が変色しています。
上側のスポンジもはっきりと色が変わっていますよね?
これ、ウレタンスポンジの劣化なんです。
この原因はいろいろとありますが、加水分解や他の物質との反応・・といったところでしょう。
よくダイキャストモデルなどの保護剤でスポンジが使われていたりするじゃないですか?
それとかも長期保管しているとスポンジがボロボロになったりしてますよね?
エーテル系のウレタンスポンジはこの傾向があると思うんですが、劣化すると他のものを侵食するんですよね。
それがダイキャストモデルならその塗装に貼り付いて取れなくなったり。
つまり、塗装に溶着しちゃうということですね。
で、古いCDなどでは緩衝材で入れてあるそれがCDに貼り付き、記録面まで剥がれてしまうとか。
つまりこのウレタンスポンジの種類によってはその影響のあるガス等々が加水分解で出るということなんでしょうね。
このソファーは20年モノです。
ずばり2002年モデルの無印良品のソファー。
ちなみに2010年ごろのソファーもありますが、それはこんな斑点は出ていません。
ええ、ウレタンスポンジの種類が違うみたいです。
で、なぜそれが斑点になるのか?・・ですが、気体って凝集すると液体になりますよね?
そういうことだと思います。
ソファーなので使用でスポンジは収縮するわけですが、それはつまり、膨張の際に空気を吸うということです。
その際に外気の水分を取り込むわけですが、その水分=湿度が高い部分が加水分解時に出るガスを拾うんでしょう。
で、斑点になる・・と。
避けられない現象ですよね。
でもウレタンスポンジがボロボロでなく弾力がまだまだあるなら継続使用したいもんですよね。
ではどうするか?
「気にしない」(笑
つまり、カビではないので、見た目は気にしないということですね。
でもその加水分解のもろもろが気になるでしょうからオキシクリーン(酵素系漂白剤)などで漬け洗いすると、
その心配は軽減されることでしょう。
で、それをした図がこれ。
何が驚いた・・て、最上部のカバーも結構その加水分解の影響があったという点。
定期的に洗ってはいたものの、漬けおきでこんな色が出るとは・・
そんなこんなで、カバーを全て漬けおき洗いしてスポンジのカバーも同様に洗濯。
そして洗えない本体側は中性洗剤で拭き取って天日干し。
で、しっかり組み上げて・・
完成。
結局カバーやらなんやらをさらにかけるので中身のそれはわからないんですけどね。
ちなみに無印良品ではこの古いソファーのカバーもオーダーできるんですと。
ちなみにカバーの下のソファーカバーですが・・
かなりキレイになりました。
そんなわけで、古いソファーなどの変色・斑点はカビではなく加水分解したウレタンスポンジのいろいろが原因ということで。
お時間あるときにぜひどうぞ。noteも書いてます。